在宅ワーク、というとこんな言葉をよくみかけませんか?私自身も最初はこんなキャッチコピーを見て、「ヒマな時間にやるだけなら、ラクにお金が稼げるじゃん!!」と安易に在宅ワークを始めた一人なのですが、実際に在宅ワークを始めてみると、事実は違っていました。
「空いた時間」の実際
私は在宅ワークを始めた当初、結婚もしたばかりで、子供はまだ生後3ヶ月でした。そんな私の「空いた」時間というのは、夫が会社に行っていて子供と二人きりの日中のミルクをあげる合間や子供が寝ている時間などでした。それでも子供の世話以外の家事もありますし、当然すべての空き時間にパソコンに向かうわけにはいきません。
なんだかんだとしていると、集中してパソコンに向かえる時間は2時間あまり。求人情報などを見ていると、「一日5時間以上仕事ができる方」という条件が提示されていることが多いのですが、日中2時間しか時間が確保できないなら子供や夫が寝たあとに22時から1時まで3時間プラスして5時間にすればいいや、と考えました。ところが、そんな考えも甘いことを思い知らされます。
クライアントからの仕事は、希望件数をこちらから提示できる場合もありますが、たいていの場合はクライアント側で○○件と割り振られてしまいます。そして割り振られる件数は、一日5時間でさばききれるものであったことのほうが少なかったのです。たとえば、納期1週間、データ件数2000件のお仕事を請けたとします。そうすると、単純に計算して一日あたり300件ほど入力する必要があります。1時間に50件入力できるとしても、一日6時間必要ですよね。またそれ以外に、仕様書の確認や校正の時間なども入れると、それ以上の時間が必要ということになります。
そうなると、「空いた」時間に。。。なんていうことは言ってられなくなってしまい、一日中ひたすらパソコンに向かうわけです。家事もすべてほったらかし。寝られない日が続き、徹夜になる日も多かったです。一番忙しい時で、1ヶ月間毎日睡眠時間が2時間という時もありました。結局「空いた」時間に仕事、ではなく、「空いた」時間に家事・育児、が実情でした。
在宅ワークを選ぶ理由
「そんなにキツイなら無理かも。。。」と思いますか?もしあなたにとって収入がさほど必要でないなら、私は在宅ワークはオススメしません。それは外で働く場合でも同じだと思いますが、仕事をするということは少なからず犠牲になるものが出てきてしまうからです。私もずっと悩みました。子供とお散歩に行ったり、お友達と遊んだり、という時間も私や子供にとって必要な時間だと思っていたので仕事だけで大切な時を失うのは怖いと思ったんですね。それでも、私がこの仕事を続けてきたのは、やっぱり収入が必要だったこと、そしてこの仕事がとても好きだったからです。
困った場面になると、自然に知恵もわくんですよね。家族との時間もほしい、でも仕事もしたい、収入もほしい、そう思ったら、だんだん時間の計算ややりくりを考えるようになり、家事をする余裕も少しはできてきました。お金を稼ぐ、というのは当たり前ですが大変なことです。世の中、みんな一生懸命働いてお金を稼いでいるのは同じだと思います。ですから、「空いた」時間に高収入が得られるようなウマイ話があるわけないですよね。(もしそんなお仕事があるなら、夫に会社を辞めてもらってその仕事をしてもらいます(笑))
そういったことを十分にふまえたうえで、いろんな選択肢がある中から「やっぱり在宅ワークを始めてみよう」と真剣に思っている方は、大切なことを守りながら仕事をする工夫が自然とできると思います。そして私もそういう方を応援していけるといいな、と思っています。